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『吉野ヶ里さんぽ vol.163』~いきもの情報 昆虫編⑦~

中秋の名月も過ぎ、「秋たけなわ」でございます。
今回は、「タイワンクツワムシ」を紹介させていただきます。名前の通り、台湾や東アジア地域に広く生息するキリギリスの仲間です。日本でも南西諸島や九州南部、四国の太平洋岸に昔から自然分布していたようです。知り合いからの情報によると、おそらく40年ほど前の佐賀には生息していなかったと考えられます。クマゼミやナガサキアゲハが関東まで分布域を広げているように、タイワンクツワムシも九州南部からゆっくりと北上してきたことが推測されます。気候変動(地球温暖化)の影響で、日本国内に南方系の生きものが生息できる環境が増えている証ですね。
タイワンクツワムシは環境省が作成している「生態系被害防止外来種リスト」に、国内由来の外来種として掲載されています。
「国内由来の外来種」って何だろう?
調べてみると、日本国内のある地域から別の地域へ人為的に持ち込まれて繁殖している種類を指すようです。
この定義からすると、吉野ヶ里公園に生息しているタイワンクツワムシは、自らの力で分布域を広げてきた可能性が高いため、「国内由来の外来種」ではなく「在来種」で良いと私は思います。「外来種」=「悪者」と言うイメージがついて回るのは残念でございます。

さてさて、主役の「タイワンクツワムシ」そのものに話を戻します。
スラっと伸びた長い脚は枯れ枝のよう、翅は枯れ葉そっくりです。7センチほどもある大きな昆虫なのに、草むらの中に入ったとたんに見えにくくなります。その風景に溶け込むと言った方が良いかもしれませんね。天敵に見つけ(食べ)られないようにカムフラージュしているのです。自然が生み出した知恵と造形美に感動します。
草むらの中から、「ジリリリリリリ…♪」と重めの低音が聞こえてきたら、探してみてください。運が良ければ、翅を擦り合わせて懸命に鳴いているタイワンクツワムシを見つけられるかもしれませんよ。

撮影場所/東口  撮影日/2026.9.5 18:40
夕陽が差し込む草叢の中で、元気に鳴いている姿を見つけました。早速、i-phoneで撮影しようとすると暗すぎてピントが合わない。あきらめきれず友人に頼んで照明係を担当いただいたのに…ピントが背景の葉っぱにあっていた…自身の撮影技術にガッカリ。

 

撮影日/2026.9.6 13:00
♂のタイワンクツワムシです。私が慣れ親しんだクツワムシと比べると、翅が細長いためスラっとしたイメージです。♀は一回り大きくなり8センチを超える個体も見られます。