『吉野ヶ里さんぽ vol.160』~いきもの情報 昆虫編⑤~
園内には天然のカブトムシが生息しています。ここでいう「天然」とは自然に発生しているという意味です。公園で長く働いているスタッフの話によると、以前はカブトムシがたくさん見られたようなのですが、今年は非常に少ないとのこと。出勤時によく園内を巡回しますが、シーズン中に見かけたのはオス1頭とメス4頭だけでした。クワガタも少ないですね。コクワガタ、ヒラタクワガタ、ノコギリクワガタが生息しています。園内にはクヌギやコナラの林が広がり、カブトムシ・クワガタムシが好む環境が整っているのに…。
減ってしまった原因はなんだろう?と考えてしまいますね。
数年前にたくさん見られた理由の一つとして、古代の森の林床に幼虫が好む堆肥を大量に敷いていたそうです。その堆肥で多くのカブトムシが育ったと考えられます。また、少なくなった原因の一つに、カラスが挙げられます。園内のカラスは年々増加し、春先には100羽を超えることもありました。カラスは何でも食べます。カブトムシの幼虫、成虫とも大好物です。また園内の復元家屋などをねぐらとしているアライグマ、そしてタヌキやアナグマもカブトムシを好んで食べます。食物連鎖は仕方ないのですが、公園管理のエキスパートとして、子どもたちに人気のカブトムシやクワガタムシを園内で増やしたいと考えております。そのためには、これらの生きものが好む要素(しかけ)を園内に増やしていく必要があります。最も大切なのが生息環境の整備です。幼虫が育つ熟成した堆肥の山を園内に作ること。クワガタであれば間伐した木を林床に積み上げておくだけで幼虫の育つ環境が出来上がります。そして捕食者(カラスやアライグマ)の数をいかにコントロールしていくかが大きな鍵となりますね。
クヌギの木で悠々と食事をしているカブトムシやクワガタムシを見ると、心が躍るのはなぜだろう?童心に帰ることができる瞬間なのかもしれません。

撮影場所/祭りの広場(コナラ) 撮影日/2026.7.28
美しい!今年の夏、私が園内で出会った唯一のカブトムシ♂です。
赤の発色が素晴らしいシャア専用ザクのようなカブトムシでございました。がっしりとしたボディに胸角が突き出し、長い頭角がまっすぐに伸びています。自然造形美の極みですね。