『吉野ヶ里さんぽ vol.120』~みちくさ『昆虫・小動物編』~
今回の『吉野ヶ里さんぽ』では、吉野ヶ里で出会える生き物たち、チョウをメインにご紹介します。私たちの身近に広がる小さな世界で一生懸命生きている生き物たちを探してみてはいかがですか。
◆ベニシジミ(シジミチョウ科)
シジミチョウ科はとても小さいですが、よく見ると色鮮やかなチョウも多く可愛らしいです。ベニシジミはビビットカラーの橙色に黒い斑点が入っています。昆虫が幼虫期に食べる特定の植物を「食草」といい、ベニシジミはスイバなどタデ科の植物を好みます。
◆ヤマトシジミ(シジミチョウ科)
小さいながらも大きな斑点が並んでいるのが目立つ、都市部でもよく見られるチョウです。食草はカタバミ科の植物です。
◆ムラサキシジミ(シジミチョウ科)
翅(はね)の裏は地味な茶色ですが、表は光沢のある青紫色で光に当たって羽ばたく姿はキラキラと美しいです。翅(はね)の後ろに尾状突起(後翅の外側にある尾のような突起)があるとムラサキツバメになります。食草はアラカシやスダジイなどのブナ科の植物です。
◆モンシロチョウ(シロチョウ科)
都市部でも一般的にみられ、私たちの身近な環境に生息しているチョウです。全体的に白いですが外側は黒く縁取られ、ふわふわと飛ぶ姿が可憐です。食草はキャベツ等アブラナ科の植物です。

◆モンキチョウ(シロチョウ科)
モンシロチョウと同じく、私たちの身近で見られるチョウです。黄色い翅に紋があることが名前の由来です。食草はシロツメクサなどマメ科の植物です。
◆ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)
橙色に黒い斑点、翅の先は黒地に白いラインと鮮やかなチョウです。吉野ヶ里では、草花たちの蜜を吸う姿が一番多く見られます。食草はパンジーなどスミレ科の植物です。
◆コミスジ(タテハチョウ科)
黒い翅に3本の白い筋が入っているように見えます。翅を数回はばたき滑空する独特な飛び方です。食草はクズ、ハギなどマメ科の植物です。
◆タテハモドキ(タテハチョウ科)
鮮やかな橙色に、目玉のような模様がとても特徴的です。食草はイワダレソウなどのクマツヅラ科やキツネノマゴ科の植物です。
◆ヒメアカタテハ(タテハチョウ科)
橙色を主軸に、黒や白色の模様がある複雑な美しい色合いのチョウです。食草はヨモギやハハコグサなどのキク科の植物です。
◆コムラサキ(タテハチョウ科)
翅の裏は全体的に茶色で白い帯模様と目立ちにくいですが、オスの翅の表は鮮やかな紫色でとても美しいです。食草はシダレヤナギなどヤナギ科の植物です。
◆ナミアゲハ(アゲハチョウ科)
身近な場所で出会いやすいチョウです。全体に黄色がかった色で繊細な縞模様が美しいです。食草はミカンやキンカンなどミカン科の植物です。
◆アオスジアゲハ(アゲハチョウ科)
黒い翅に鮮やかに光る青色のラインが特徴的です。食草はクスノキ、タブノキなどクスノキ科の植物です。
◆チャバネセセリ(セセリチョウ科)
とても小さいですが、よく見ると目が丸くクリクリしてとても可愛らしいです。食草はススキやチガヤなどイネ科の植物です。
吉野ヶ里ではチョウの他にもたくさんの生き物が生息しています。一部ご紹介しますので、皆さんも是非園内で探してみてください。
◆ウスバキトンボ(トンボ科)
◆ホシベニカミキリ(カミキリムシ科)
鮮やかな赤色に黒い斑点が特徴のカミキリです。
◆ミヤマカミキリ(カミキリムシ科)
全体的に茶色のとても大きな体で、節のある触覚が特徴的です。
◆ニホントカゲ(トカゲ科)
ニホントカゲが互いに噛みつきあう行動はオス同士の喧嘩か求愛の2つの意味合いがあるそうです。どちらも詳細な情報が少ないですが、珍しい機会に出会えました。
◆小動物の足跡
雨上がりの畑に小動物の足跡を見つけました。普段私たちの前になかなか姿を現さない小動物ですが、園内でたまに出会える‘生きている証’を探すのも面白いかもしれません。