弥生人の声が聞こえる
 吉野ヶ里歴史公園

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吉野ヶ里遺跡の紹介

空間の利用形態

民族事例では定住を行う民族の多くが住居内の空間を一定のルールに従って利用しています。

例えば北海道アイヌのチセは中央に炉があり、入り口から見てこの炉の左手は主人夫婦の座、右手は子供達などその他の家族の座であることが一般的です。

また入り口手前が女の席であり、奥が男の席です。奥には祭儀の際に神が出入りするとされる神窓が存在します。
こうした状況から、アイヌのチセでは入り口から見て左上位、右上位、奥上位、手前下位の概念で住居の利用形態が規定されていることを窺うことができます。
こうした住居内の空間を上位、下位に分ける概念に加えて、公的な空間と私的な空間が区別されている場合も多く、食事や接客の空間が公的な空間、就寝する空間が私的な空間となっている例が最も一般的です。

こうした民族事例を参考に、吉野ヶ里の住居では入り口より見て左側を上位空間、右側を下位空間と想定しました。

これは日本では左大臣、右大臣の例を見るように、左上位、右下位の概念が古く存在可能性が高いこと、アイヌや東南アジア稲作民など日本列島に近い民族事例にこの例が多いことを一つの拠りどころとしました。
また住居の奥を上位、手前を下位と想定しました。
これも、現在まで儀式の席での席次がこうした概念に規定されており、古くから一般的な概念であったと推定したことによります。

またベッド状遺構を就寝空間、すなわちプライベートな空間とし、炉を囲む空間を公的空間と考えました。現在までのところ、ベッド状遺構を就寝空間とする確たる証拠は発見されていませんが、その規模、形態は就寝空間を思わせるものです。

また弥生時代後期末の生活状況、特に吉野ヶ里環壕集落のような「クニ」の中心的集落の生活状況は既に、住居の内部に私的空間と公的空間が存在するものであったと想定でき、この観点からベッド状遺構は就寝空間であると想定しました。